最近よく聞かれるのですが、「タイのレンタルサーバー、または日本のレンタルサーバーを借りたいのですが、どちらが宜しいでしょうか?」。これはクライアント様にもよりますが、ウェブ制作会社にお任せしている場合はその制作会社がデータセンターを借りていて自分達でホスティング・サービスを提供しているか、タイ人エンジニアの友人または馴染みのあるタイのホスティング・サービスを選択するケースが多いです。しかし、ウェブ制作会社に任せず、ワードプレスなどのCMSを活用し自分でウェブサイトの編集などをされている事業者からしてみればレンタルサーバーの購入は慎重に検討したい物です。
タイのレンタルサーバー事情はどうなのか?
数年前にタイでクーデター事件が起きましたが、その時タイ大手データセンターの電源が切れたのは記憶に古くない。サービス再開まで半日ぐらい掛かりましたが、データセンターが落ちた事を聞いたのは初めてでした。しかし、日本でも大手ホスティング会社のデータセンターが火事になるなどの事件は起こっており100%安定安心なデータセンターは無いと思われます。なのでクラウドサーバーと言うサービスが出てきておりますが、まずはタイと日本のレンタルサーバーのサービス・価格などを見てみましょう。
タイの共有型レンタルサーバー
HOSTNEVERDIE | 20 GB | 1,200バーツ/年 |
Jaidee Hosting | 15 GB | 800バーツ/年 |
上記の物は著者が知る限りタイでも安い方のレンタルサーバーです。月々100バーツはかなり安いと思われますが、果たして日本の現状はどうでしょう?
日本の共有型レンタルサーバー
このようにサーバースペースは少ないが月々100円からのサービスがあります。1円=3バーツとした場合は、日本の共有型レンタルサーバーは33バーツ/月から借りられる事になります。
トラブル対応
共有型レンタルサーバーとは一つの物理機械から提供されるサービスですので、何かしらの損傷・トラブルは発生します。これは、タイ・日本などその国に限らず起こります。但し重要な所はトラブルが発生した時の対応になります。仮に日本人事業主がタイ人スタッフを使いタイの共有型レンタルサーバー業者を使用していた場合は、現状確認やトラブル対処方のやり取りの詳細が全てタイ人スタッフ任せの為、現状が解らない事が多いです。また、そのタイ人スタッフが辞めた場合は現状が全く解らないケースも良くあります。
日本の共有型レンタルサーバー業者と契約した場合は日本人スタッフがいない限り日本人事業主が直接サーバー業者とやり取りする形ですが、日本のサポートセンターに問い合わせる事ができます。タイと日本の時間差は2時間ぐらいですので、良い業者であれば問い合わせ日に回答が来ます。
ここでは、サービスの良し悪しと言うよりは事業主ご自身が一番安心できるコミュニケーション体制があるサーバー業者を選択されるのが望ましいと思われます。
速度クオリティーなど
これはどの様な業務に対してサーバーを活用したいかにもよります。例えばチャット、インターネット電話、株式・為替トレードなどは即時性が問われますので回線速度が出来るだけ早いのに越した事はありません。その点ウェブサイトやEメールなどはそこまでの即時性にこだわる必要は無いと思われます。下記はタイ・バンコクから各国の通信速度を図った物になります。
http://www.speedtest.net/より
国 | ダウンロード(Mbps) | アップロード(Mbps) |
---|---|---|
タイ、チェンマイ | 15.86 | 0.94 |
シンガポール | 15.70 | 0.94 |
日本 東京 | 15.15 | 0.90 |
アメリカ カリフォルニア | 14.67 | 0.85 |
結果はテスト実行場所にもよりますが、大体は上記のような結果になります。タイ国内であるチェンマイが当然の結果として一番早いがシンガポールとの差はそんなにありません。ちなみに本サイトのデータセンターはシンガポールにあります。日本との場合でも気になる程の差は無いが、さすがにアメリカまでになると差は出てきます。そもそもインターネットの概念はグローバルに情報を提供し活用される事が目的である為、余程即時性が必要なウェブ・サービスや業務をされない限り、タイ国外のレンタルサーバーでタイ用のウェブサイトやEメールなどのウェブ・サービスを展開しても問題無いと思われます。
VPSやクラウドの場合(VPSやクラウドについての詳細はこちらを参照)
著者もタイのVPSサービスについては色々探した事がありますが、特に納得の行くサービスは今だ見つけていません。理由としてはスペックと料金を比較した時に他国が展開するサービスの方が安く思えるからです。下記に同じCPU2コアーとRAM2GBのVPSサービスを比較してみます。
タイのVPSサービス
IDC Thailand | 80 GB | 950バーツ/月 |
VPSHISPEED | 80 GB | 1,203バーツ/月 |
日本のVPSサービス
サクラの1,706円をバーツで考えた場合、概算ですが600バーツぐらいです。
VPSやクラウドサービスにおいてはタイ国外の方が安い事があります。その理由としてはアメリカや日本では早段階からサービスを展開しコスト削減に徹底して来た事から低コストで仮想サーバーを提供できるようになった事に対し、仮想サーバーの使用が始まったばかりのタイ国では極端に値段を下げられる程ユーザーがいないのが現状かもしれません。
タイ国内でレンタルサーバーを持つ事には問題は無いと思われますが、サーバーやシステムなど何か有った時のお問い合わせなどは語学力が必要になりますので、ある程度知識のある日本人エンジニアと検討される事をお勧め致します。